厚生労働省の専門部会は2020/2/26、承認申請が2018年11月になされていた世界一高い薬とされるスイスの製薬大手Novartis(ノバルティス)社のZolgensma(ゾルゲンスマ)の国内での製造販売を了承した。ゾルゲンスマは脊髄性筋萎縮症(SMA)の体内に遺伝子を入れて病気を治す遺伝子治療薬で、3月中に正式承認される見通し。
米国では食品医薬品局(FDA)が昨年5月に承認した。1回の投与で治療が終わるが、米国での費用は212万5000ドル。1ドル110円で計算すると2億3375万円。従来の治療法(スピンラザ)を10年続けた場合にかかる医療費410万ドルのおよそ50%で設定された。日本国内では薬価を決める際に海外での価格も参考にされるため、1億円超えが有力。早ければ5月にも診療報酬を決める中央社会保険医療協議会(同)の総会で保険適用を決め、薬価が決まる。
公的医療保険が適用される場合、日本では医療費の自己負担に月額上限を設ける「高額療養費制度」があるため、高額医療の患者負担は低く抑えられる。さらに子どもの医療費は多くの市区町村がほぼ全額を助成しており、自己負担はほとんど発生しない例が多くなる。ただその分、保険料や税金を財源にしている医療保険からの給付が膨らむことになる。。。
◎脊髄性筋萎縮症は出生10万人あたり2~3人が発症する難病で、発症時期が早いほど重症になりやすい。生後6カ月までに発症する「I型」では、9割が2歳までに呼吸補助が常に必要になるか、死亡するとされる。
ゾルゲンスマは筋力の低下を引き起こす脊髄性筋萎縮症にかかった2歳未満の乳幼児を対象にした治療薬。
◎アメリカで承認されたときの記事
The Food and Drug Administration approved Novartis’ $2.1 million gene therapy for spinal muscular atrophy — making it the world’s most expensive drug.
The therapy, Zolgensma, is a one-time treatment for spinal muscular atrophy, a muscle-wasting disease and leading genetic cause of infant mortality that affects one in every 11,000 births.
In rationalizing the expensive price, Novartis said the one-time treatment costs 50% less than the 10-year cost of current chronic management of the disease.
Another current treatment for spinal muscular atrophy for children and adults is Biogen’s Spinraza, which has a list price of $750,000 for the first year and $375,000 annually thereafter.
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