はしかとは?

麻疹ウイルスが原因で、飛沫感染(はしかに感染した人のくしゃみ、せきでウイルスが空中に飛び出して他の人に感染)します感染力はとても強いです。はしかは1度かかれば免疫ができ2度とかかりません。赤ちゃんはママが抗体を持っていれば、生後半年くらいまでは免疫があります。免疫が切れる生後半年頃は、一生で1番抗体が減少する時期です。はしかにかかりやすいのは1~6歳頃ですが、1歳前でも感染の危険があります。乳幼児がかかると重症になりやすく、昔は「命さだめ」と呼ばれるほどの病気でした。いまでも年間数十人の乳幼児がはしかで亡くなっています。

症状とは?

潜伏期間は10~14日です。患者に接触してすぐ(症状が出る前)であれば発症、重症化予防としてガンマグロブリン(大人の血液中の血清からはしかなどに対する免疫体だけを取り出した免疫抑制薬)を注射する方法がありますが、この効果は1ヶ月くらいしか続きません。安易にとれる方法ではないので、医師に相談しましょう。
最初の症状は38℃前後の発熱、不機嫌、せき、鼻水、目やに、充血などです。発熱は2~4日続き、他の症状も徐々に強くなります。乳幼児の場合、下痢を伴うことも多いです。発熱から2~3日のうちに、口の中の頬の内側に小さな粟(あわ)粒大の白い発疹が数個~数十個現れます。(コプリック斑)3~4日目になると熱は1度ほど下がり、半日くらいのうちに再び39.5℃以上の高熱になります。同時に耳の後ろや首、顔などに鮮やかな赤い発疹が現れ、手足、背中、おなかなど全身に広がります。高熱は続き、せきや鼻水、目やになどもひどくなります。この頃が1番苦しく、口の中の荒れもひどく、顔が腫れ、激しいせきでぐったりします。7~10日目頃、熱が下がり始め、せきはしばらく残りますが、全体的には良くなります。赤い発疹も茶色がかった赤褐色に変わり、色素沈着を残すこともありますが、約1ヶ月で消えます。完治するまで10~14日ほどです。はしかのあとはかなり体力を消耗し、他の感染症にもかかりやすくなるので注意が必要です。重症になると肺炎、中耳炎、気管支炎、1000人に0.5~1人は脳炎を併発する場合があります。脳炎や肺炎などは死に至ることもあります。死に至らなくても後遺症が残る場合があります。

治療方法は?

対症療法(病気の原因に対してではなく、そのときの症状を軽減するための治療法)しかなく、解熱鎮痛薬(アンヒバ、アルピニー、カロナールなど)や鎮咳薬(アスベリンなど)などで体力の消耗を防ぎます。
予防接種(麻疹ワクチン、MRワクチン)で予防するのが1番です。
お風呂は熱が下がって発疹が乾いていれば入ってもいいですが、体をゴシゴシと洗わないようにしましょう。口の中に発疹ができているため、食欲は落ちますが、口当たりのいい食べ物を与え、こまめに水分補給しましょう。