インフルエンザとは

インフルエンザは感染者のくしゃみやせきによって飛び散ったインフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気で、毎年12月下旬ごろから流行し始め、ピークは1月下旬から2月中旬です。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類があります。短期間で広い地域に流行するのがA型とB型です。ウイルスは流行するたびに少しずつ形を変えるだけでなく、一冬に複数のウイルスが流行することもあります。1度かかっても、2度、3度かかってしまうことがあります。

症状は?

最初は普通のかぜのように鼻水、のどの痛み、せきなどですが、インフルエンザの場合39度以上の高熱が出ることもあります。頭痛や筋肉痛、関節痛が起こり、痛さのあまり動けなくなることもあります。吐き気や嘔吐、下痢などの胃腸症状をともなうこともあります。合併症が起きなければ、だるさなどは3-4日でおさまり、熱は3-7日で下がります。
6ヶ月ごろまでの赤ちゃんだとママからもらった免疫がありますが、ママが免疫をもっていない病気だと免疫はできません。ママがインフルエンザの免疫をもっていなければ、低月齢でもインフルエンザにかかることもあります。低月齢の子がかかると比較的軽症ですみます。少し月齢が高いと、急性気管支炎、中耳炎、肺炎などの合併症を起こして、重症になることもあります。インフルエンザ脳症を併発すると、重い後遺症が残ったり、死亡することもあります。
熱はあっても機嫌がそれほど悪くなければ診療時間中の受診で問題ありませんが、けいれんを起こしたり、呼びかけに反応がない、水分がとれずおしっこが出ないときなどは至急受診したほうがいいでしょう。

治療方法は?

発症後、48時間以内にインフルエンザと診断がつけば、有効な抗ウイルス剤が使われます。抗ウイルス薬のタミフルは、1歳未満の赤ちゃんには安全性、有効性が確立されていないので、処方されません。
高熱で体力の消耗が激しい場合は解熱剤、せきなどののどの症状が強い場合は、たんやせきを抑える薬や気管支拡張薬など、症状に応じた薬が使用されます。細菌による2次感染を防ぐために抗生物質が使われることもあります。

予防方法は?

1. 家族全員がうがい、手洗いをして、家庭内にインフルエンザを持ち込まないようにする。

2. 十分な栄養と睡眠をとり、体調を整えておく。

3. インフルエンザが流行しているときは人ごみを避ける。

4. 予防接種を受ける。

予防接種について

おとなは1回、15歳以下の子どもは2回の接種が必要です。6ヶ月以降の赤ちゃんであれば接種可能ですが、1歳以降の接種をすすめる考え方が主流です。インフルエンザには、A型、B型、c型があり、流行するたびに形が変わります。ワクチンはその年の流行を予測して製造されるため、ワクチンの有効率は50-60%と他のワクチンに比べると低いです。しかし、もしかかっても症状は軽くすみ、脳炎、脳症などの重大な合併症を引き起こす可能性が低くなります。卵の成分が含まれるので、ショックを起こすほどの卵アレルギーがある子は受けられません。保険適用でもないので、自費で受けなくてはならず、病院によって金額が異なります。

インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、ワクチンを接種しても母乳に影響しません。接種後の授乳も問題ないので、授乳中のママも接種可能です。