血管種とは

皮膚などに広がって太くなった血管が集まったり、それらが増えていく性格をもった血管のできものです。血管種には大きく分けて単純性血管種や苺状血管腫などのあざのようなものと、海綿状血管種や血管内皮腫などの合併症を引き起こすもの(血管の奇形)があります。

苺状血管種とは

苺状血管種は生後すぐもしくは数週で急に大きくなります。おでこなどにこぶができているような感じです。表面がいちごのような色になることが多いのでこのように呼ばれます。苺状血管種は大きくなるにつれだんだん消えていくので、特に治療をしなくても問題ありません。ただし、まぶたをふさいでしまうものなどは早急な治療が必要です。2歳頃から退縮が始まり、5歳までに50%、7歳までに75%の苺状血管種が自然に治癒すると言われています。治療としては、皮膚科や形成外科でレーザー照射による治療が行われます。凍結療法、スポンジによる圧迫、ステロイドの局注・内服などが行われる場合もあります。

 

単純性血管種とは

単純性血管種とは苺状血管種とは違い、こぶなどはできません。隆起しない赤あざといわれるものです。苺状血管種は時がたてば自然にだんだんとなくなりますが、単純性血管種は自然にすべて消えるというものではありません。治療としては、レーザー照射治療が行われます。成人に比べ乳幼児は皮膚が薄く血管種が浅いところにあるため、治療回数は少なく、治療効果も優れています。
「血管種」についての情報

海綿状血管種とは

皮膚が少し盛り上がり、押すと柔らかい血管奇形です。20歳から40歳代に発症することが多いです。家族に遺伝することもあります。60%が大脳にでき、出血を繰り返してだんだん大きくなることがあります。治療としては、進行性に大きくなったり、何度も出血するような場合には手術を、手術では安全に除去できない場合には放射線治療が行われます。また、血管をうつす検査をして、血管種に入る血管に詰め物をして血管種自身をしぼませる塞栓療法や血管種の血管の中に薬を入れて血管をかためる硬化療法などがあります。