風疹とは?

風疹ウィルスによる急性感染症で、せきやくしゃみで感染します。

症状は?

発疹が出る数日前から出てから5日後くらいまでは、人にうつる可能性があります。潜伏期間は14~21日、主な症状は発疹、リンパ節の腫れ、発熱です。発疹は赤くて小さく、顔、耳の後ろなどに突然出て、全身に広がりますが、3日前後で消えます。はしかの発疹よりもまばらで小さく、色も薄く、色素沈着はしません。発熱は半数程度に見られる症状で、2~3日で下がり、微熱で終わることも多いです。リンパ節の腫れは発疹の数日前から出るのが特徴で、耳の後ろや後頭下部、首などに目立ちますが、3~6週くらいで消えます。のどの痛みや目の充血などが出ることもあります。

乳幼児の場合は比較的症状が軽い病気ですが、小学校高学年以降にかかると高熱が続いたりします。ときには脳炎や血小板減少性紫斑病などの重い合併症を起こすこともあります。大人がかかると症状が重く、関節炎を起こすこともあります。また、妊娠初期の女性がかかると先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高いと言われています。感染時期が妊娠早期であるほどその危険性が高まります。(妊娠4週から5週くらいでは50%以上の危険があるとされます)妊娠20週以降に感染した場合、問題はほとんどないとされています。母体が感染しても胎児に感染しているとは限らず、胎児感染診断のためには羊水検査が必要です。

赤ちゃんに起こる問題とは?

具体的には難聴、白内障(目のレンズが白く濁りよく目が見えない)、心臓構造異常などです。

妊娠する可能性がある女性は、簡単な血液検査をすれば風疹に対する抗体があるか確認できます。十分な抗体があれば風疹には感染しません。抗体がない場合や抗体価が低い場合は、風疹ワクチン接種を受けることにより抗体を得ることができます。ワクチン後2ヶ月は避妊します。パートナーが風疹抗体を持っていない場合、どこかで感染し、家庭内にウィルスを持ち込む可能性があるので、パートナーにも風疹の検査を受けてもらうとよいでしょう。自治体によっては妊娠希望者へ風疹予防接種費用の一部または全額を助成しています。パートナーも助成対象の場合があるので、お住まいの自治体(市役所や区役所など)に確認してみるとよいでしょう。

治療方法は?

対症療法(病気の原因に対してではなく、そのときの症状を軽減するための治療法)しかありません。特別な治療薬はなく、多くの場合は薬を飲まなくても自然に治ります。高熱が続くようであれば、入院になることもあります。