RSウイルスとは?

毎年10~1月に流行していると言われるRSウイルス感染症は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。2歳くらいまでにほとんどの乳幼児が感染する病気です。RSウイルスは風邪の原因ウイルスのひとつで、赤ちゃんから大人まで何度もかかります。多くは、風邪症状ですみますが、赤ちゃんやお年寄りは重症化して、細気管支炎、肺炎などの症状を起こすこともあります。1歳までの乳児は呼吸困難症状を合併して重くなり、入院治療が必要なこともあります。低年齢児、心臓病合併児、低出生体重児などは重症化しやすいと言われています。空気感染はせず、RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみなどからの飛沫感染、感染している人との濃厚接触、ウイルスがついている物を介した接触によって感染します。

症状とは?

感染後4~5日の潜伏期の後、鼻水、咳、発熱などの症状があらわれます。さらに進むと気管支炎、細気管支炎を発症して、呼吸するときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸になります。中耳炎を合併することもあります。通常は1~2週間で回復しますが、重症化した場合は、入院治療が必要になります。

治療は?

RSウイルスに効く薬は今のところありません。対症療法(病気の原因に対してではなく、そのときの症状を軽減するための治療法)しかなく、発熱や呼吸器症状を和らげるための去痰剤や気管支拡張剤を処方されることがあります。細菌感染の合併が疑われる場合は抗生物質が出されます。

ホームケアは?

かかってしまったら
・脱水症状を起こさないように水分補給をしましょう。
・鼻づまりがあれば鼻水を吸い取ってあげましょう。
・加湿器などで部屋の湿度を調節して呼吸が楽になるようにしてあげましょう。

予防として
・RSウイルスの予防接種はありません。うがい、手洗いして予防しましょう。
・マスクをして飛沫の発生を最小限に抑えましょう。
・時々空気の入れ換えをしたり、部屋の湿度を50-60%に保ちましょう。