破傷風(はしょうふう)とは?

破傷風菌が原因で起こる病気です。破傷風菌は空気が苦手なので、土壌の中にひそんでいます。傷口から人の体内に侵入します。交通事故や深い傷など大きな傷を負ったときなどのほか、最近ではガーデニングなどでの小さな傷からの感染も報告されています。人から人に感染することはありません。破傷風ワクチンが法定接種で受けられるようになったのは1968年10月15日以降なので、未接種の40歳以上では、年間100人以上がかかっています。

症状とは?

潜伏期間は3~21日ほど。菌が体内で増殖、毒素によって筋肉がけいれんし、顔の筋肉を動かしにくい、笑ったようにひきつった顔になる、口があかなくなることに始まり、数日以内に全身の筋肉がはげしい痛みを伴うけいれんを起こすようになります。おなかの筋肉も背中の筋肉もいっせいにけいれんするので、最終的には後弓反張と言ってまるでフィギュアスケートのイナバウアーのような姿勢になります。意識は侵されないので、たいへん痛く苦しい状態です。現在の医学では診断や治療が迅速になり、死に至ることはほとんどなくなってきましたが、症状が長く続いたり、、亡くなることもあります。また、免疫はできないので、何度もかかる人がいます。

予防接種とは?

破傷風菌は日本だけでなく、世界中の土壌にいるので、菌を根絶したり、感染を防ぐことはできないと言われています。感染したときに発症を予防するために予防接種を受けることが一番です。

四種混合ワクチン(DPT-IPV)または三種混合ワクチン(DPT)(いずれも定期接種・不活化ワクチン・皮下注射)で予防します。赤ちゃんの百日咳が流行していますので、生後3か月から4週間隔で3回受けると予防効果が高くなります。生後3か月でヒブ、小児用肺炎球菌などと同時接種で受け、BCGワクチンの接種の前に四種混合(三種混合)ワクチンを3回受けておくことをおすすめします。
11歳になったら、ジフテリアと破傷風のDTワクチンを受けましょう。

WHOでは破傷風トキソイドの最終接種から10年以上たっている場合、接種するようすすめています。

※四種混合(DPT-IPV)ワクチンは2012年11月に導入。原則として2012年8月以降に誕生した赤ちゃんが接種します。2012年11月以前に三種混合ワクチンを1度でも受けたことがある赤ちゃんは四種混合ワクチンを受けることができません。三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンを受けましょう。予防効果は変わりません。

※自治体から四種混合ワクチンの無料券(接種券)が届く時期が生後4か月過ぎのところもありますが、その際は2か月過ぎからでも保健所に送付を依頼してみてください。法律的には断られる理由はないようです。