ジフテリアとは?

ジフテリア菌の感染でおこる急性感染症です。菌を体内にもっていても無症状の人もいます。この無症状の人や発症した人のせきなどによる飛沫感染です。ジフテリア菌は、ジフテリア毒素を大量に出して神経や心臓の筋肉を侵します。日本では戦後すぐのころは年間8万人以上の患者の届出がありましたが、近年は予防接種のおかげでほとんど患者はいません。旧ソ連では90年代に政権崩壊の影響でワクチンが不足し、流行しました。海外から病原体が入ってくる可能性もあるので、予防接種を受けましょう。

症状とは?

喉頭ジフテリアは、発熱、のどの痛み、声がれ、嘔吐、頭痛などがあり、「ケーン」という犬の遠吠えのようなせきが出るのが特徴です。喉頭炎(クループ)でも遠吠えのようなせきが出ますが、喉頭ジフテリアを「真性クループ」、急性喉頭炎はそれに似ている意味で、「仮性クループ」と呼ぶことがあります。
喉頭ジフテリアでは扁桃に膜ができることもあり、重症の場合、膜の部分が壊死することもあります。そして神経のまひがおこったり、呼吸困難に陥ったり、心臓の筋肉に障害がおこったりします。発症すると5~10%が死に至ると言われています。

予防接種とは?

四種混合ワクチン(DPT-IPV)または三種混合ワクチン(DPT)(いずれも定期接種・不活化ワクチン・皮下注射)で予防します。赤ちゃんの百日咳が流行していますので、生後3か月から4週間隔で3回受けると予防効果が高くなります。生後3か月でヒブ、小児用肺炎球菌などと同時接種で受け、BCGワクチンの接種の前に四種混合(三種混合)ワクチンを3回受けておくことをおすすめします。
11歳になったら、ジフテリアと破傷風のDTワクチンを受けましょう。大人には、成人用ジフテリア単独のトキソイドがあります。

※四種混合(DPT-IPV)ワクチンは2012年11月に導入。原則として2012年8月以降に誕生した赤ちゃんが接種します。2012年11月以前に三種混合ワクチンを1度でも受けたことがある赤ちゃんは四種混合ワクチンを受けることができません。三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンを受けましょう。予防効果は変わりません。

※自治体から四種混合ワクチンの無料券(接種券)が届く時期が生後4か月過ぎのところもありますが、その際は2か月過ぎからでも保健所に送付を依頼してみてください。法律的には断られる理由はないようです。